研究所・研究センター一覧

京都大学生態学研究センター

Center for Ecological Research, Kyoto University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
中野 伸一
Nakano, Shin-ichi
キーワード
生態系、生物多様性、生物間相互作用、琵琶湖、熱帯林
住所
〒520-2113
滋賀県大津市平野2丁目509-3

生態学研究センターは、生態学の基礎研究と国際共同研究の推進を目的に、平成3年に全国共同利用施設として設置されました。現在は、生態学・生物多様性科学の共同利用・共同研究拠点として、国内外の研究者が利用できる研究体制を取っています。当センターでは、生物の個体群や群集、生態系など、個体レベル以上の生命現象をさまざまな観点から研究しています。多様な生物が、互いに影響を与えつつも共存している姿を描き出し、生態系が成り立っているプロセスや進化の理解と、我々が生態系から受けているさまざまな恩恵の解明を目指しています。

平成27年度の研究活動内容及び成果


1.タイでは、天然林に対し国立公園内に保護区を設置し、木材の伐採などに厳しい制限をかけています。しかし、農地の拡大、森林資源の略奪、保護区への放牧など、政府と農民との間に多くの軋轢があります。農地に近い保護区でも、天然林は一見正常に保たれているように見えますが、放牧などにより稚樹の更新がうまくいかず、将来的には森林の大きな劣化をもたらす可能性があります。このことへの対策として、天然林を使うエコツーリズムによる地元住民への現金収入と違法行為の制限が考えられます。

2.ラン科で初めての鳥散布種子を発見しました。ラン科は被子植物で唯一胚乳を持たない種子を作り、ほこりのような種子を風に舞わせて発芽後の宿主となる菌類と出会う確率を高めていると考えられてきましたが、我々の研究ではその定説を覆す重要な発見をしました。本発見がなされたツチアケビは葉緑素をもたず、生活史の全般にわたって地中の菌類から養分を得ているのですが、風があまり吹かない林床への進出に鳥散布種子が欠かせなかったのだと考えられます。

Fig65_02

タイの自然公園内における保護された天然林(写真奥側)とそれに隣接した農地(写真手前側)

 

社会との連携


京都大学は、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じてそれぞれの地域社会における「京都大学の窓」となっています。これらの施設をそれぞれの地域により溶け込ませるため、京都大学は「京大ウィークス」として各施設を一般公開し、さまざまな公開イベントを行っています。

生態学研究センターは、京大ウィークスの機会を利用して、生態学の入門講座を小中学生や一般市民向けに開催しています。例年、「生態研センターの森の自然観察会」と題した野外の森の観察会を行い、参加者からは大変な好評をいただいています。この企画は、毎年少しずつ工夫をしながら、今後も継続します。

Fig65_01

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