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京都大学生態学研究センター

Center for Ecological Research, Kyoto University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
中野 伸一
Nakano, Shin-ichi
キーワード
生態系、生物多様性、生物間相互作用、琵琶湖、熱帯林
住所
〒520-2113
滋賀県大津市平野2丁目509-3

生態学研究センターは、生態学の基礎研究と国際共同研究の推進を目的に、平成3年に全国共同利用施設として設置されました。現在は、生態学・生物多様性科学の共同利用・共同研究拠点として、国内外の研究者が利用できる研究体制を取っています。当センターでは、生物の個体群や群集、生態系など、個体レベル以上の生命現象をさまざまな観点から研究しています。多様な生物が、互いに影響を与えつつも共存している姿を描き出し、生態系が成り立っているプロセスや進化の理解と、我々が生態系から受けているさまざまな恩恵の解明を目指しています。

平成30年度の研究活動内容及び成果


湖沼の植物プランクトンは、光合成の中間代謝物や自己の分解物として溶存態有機物(DOM)を排出します。DOMは細菌のエサとなり、DOMにより増殖した細菌は原生生物(原生動物ともいう)のエサとなります。このように、DOMから細菌を経て原生生物へとつながる食物連鎖は、微生物ループと呼ばれています。これまで、微生物ループは光合成による有機物生産を起点としていることから、その研究のほとんどは太陽光が届いて光合成が活発な湖沼の表層において行われてきました。一方、湖沼の深層は太陽光が届かず、水温も低く、生物の現存量・生産が低いために、多くの研究者の注目を受けることがほとんどありませんでした。我々の研究グループは、琵琶湖の深層に特有の微生物から成る微生物ループについて研究しています。注目すべきは、夏季から秋季の琵琶湖深層の細菌群集中でクロロフレクサス門に属するCL500-11細菌の一種のみが圧倒的に優占することの発見で、細菌全体の最大26%にもなります。さらに我々は、この知見を琵琶湖だけでなく大水深を持つ多くの日本湖沼および7つのヨーロッパ湖沼でもこの細菌の優占が起こっていることを突き止めました。このことから、琵琶湖で起こっている現象は世界的に普遍性があると考えられ、世界各地の関連研究者が注目しています。

夏季から秋季の琵琶湖深層の細菌群集において優占するCL500-11細菌(写真の黄緑色をしたバナナのような形のもの)。

夏季から秋季の琵琶湖深層の細菌群集において優占するCL500-11細菌(写真の黄緑色をしたバナナのような形のもの)。

社会との連携


京都大学は、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じてそれぞれの地域社会における「京都大学の窓」となっています。これらの施設をそれぞれの地域により溶け込ませるため、京都大学は「京大ウィークス」として各施設を一般公開し、さまざまな公開イベントを行っています。

生態学研究センターは、京大ウィークスの機会を利用して、生態学の入門講座を小中学生や一般市民向けに開催しています。例年、「生態研センターの森の自然観察会」と題した野外の森の観察会を行い、参加者からは大変な好評をいただいています。この企画は、毎年少しずつ工夫をしながら、今後も継続します。

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