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京都大学生態学研究センター

Center for Ecological Research, Kyoto University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
中野 伸一
Nakano, Shin-ichi
キーワード
生態系、生物多様性、生物間相互作用、琵琶湖、熱帯林
住所
〒520-2113
滋賀県大津市平野2丁目509-3

生態学研究センターは、生態学の基礎研究と国際共同研究の推進を目的に、平成3年に全国共同利用施設として設置されました。現在は、生態学・生物多様性科学の共同利用・共同研究拠点として、国内外の研究者が利用できる研究体制を取っています。当センターでは、生物の個体群や群集、生態系など、個体レベル以上の生命現象をさまざまな観点から研究しています。多様な生物が、互いに影響を与えつつも共存している姿を描き出し、生態系が成り立っているプロセスや進化の理解と、我々が生態系から受けているさまざまな恩恵の解明を目指しています。

令和元年度の研究活動内容及び成果


植物の頑健性:昼温く夜寒いときに、春と秋で応答を変えるエピジェネティックな遺伝子発現調節が明らかに

当センターではCREST「植物頑健性」領域の支援を受けて「フィールド・エピジェネティクス」プロジェクトが進められている。ヒストン修飾は真核生物の核内におけるクロマチンの構造を制御する機構であり、その動態を理解することは、環境の変化に対する生物の応答を予測する上で重要である。当センターの分子解析部門では、野外フィールド条件において得られたサンプルからゲノムワイドにヒストン修飾を検出するための多検体解析の体制を整え、アブラナ科の野生植物ハクサンハタザオの自然集団において長期時系列解析を実施している。このようなデータが自然環境で得られるのは世界でも初めてであり、次々と新事実が判明している。今回明らかとなったのは、「昼温く夜寒いときに、春と秋で応答を変えるエピジェネティックな遺伝子発現調節」のしくみである(Nishio et al. 2020. Nature Communications)。ハクサンハタザオの開花を調節するFLC遺伝子は秋になると寒さに応答してその働きを低下させ、冬に抑制型のヒストンがFLC遺伝子領域全体に蓄積する。その結果、春にはFLC遺伝子が寒さに応答しなくなることが分かった。すなわち、このしくみがラチエットとして働くことで、植物が春の寒さに惑わされずに温かさのみに応答して開花期間を調節していると考えられる (図)。

ハクサンハタザオFLC遺伝子の発現が春の寒さに応答しないラチエット機構

ハクサンハタザオFLC遺伝子の発現が春の寒さに応答しないラチエット機構

 

社会との連携


京都大学は、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じてそれぞれの地域社会における「京都大学の窓」となっています。これらの施設をそれぞれの地域により溶け込ませるため、京都大学は「京大ウィークス」として各施設を一般公開し、さまざまな公開イベントを行っています。

生態学研究センターは、京大ウィークスの機会を利用して、生態学の入門講座を小中学生や一般市民向けに開催しています。例年、「生態研センターの森の自然観察会」と題した野外の森の観察会を行い、参加者からは大変な好評をいただいています。この企画は、毎年少しずつ工夫をしながら、今後も継続します。

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