研究所・研究センター一覧

京都大学ウイルス・再生医科学研究所

Institute for Frontier Life and Medical Sciences, Kyoto University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
開 祐司
Hiraki, Yuji
キーワード
ウイルス学、生命科学、分子生物学、細胞生物学、再生生物学、幹細胞、医工学、再生医療
住所
〒606-8507
京都府京都市左京区聖護院川原町53

ウイルス研究所と再生医科学研究所が統合し、平成2810月に「ウイルス・再生医科学研究所」が発足しました。
1956年に設立されたウイルス研究所は、成人T細胞性白血病(ATL)の原因ウイルス(ATLV/HTLV)の発見に代表されるウイルス感染症研究のみならず、我が国の分子生物学の黎明を牽引してきました。一方、1998年に発足した再生医科学研究所はヒト胚性幹細胞(ES細胞)の樹立や人工多能性幹細胞(iPS細胞)の発見、制御性T細胞の発見と再生医学に革新的な基盤を確立してきました。
近年、両研究所はそれぞれ「ウイルス感染症・生命科学先端融合的共同研究拠点」と「再生医学・再生医療の先端融合的共同研究拠点」を運営して参りました。この二つの拠点機能は、それぞれに維持発展させてゆく強い意思を込めて、新研究所名を旧名並記と致しました。
高齢化社会に突入した我が国にとって、ウイルス感染症対策と再生医学の確立は極めて今日的な先端課題です。一見かけ離れたこの二つの課題は「多様に階層化された細胞社会」という隠れた次元で繋がっています。統合新研究所は、この隠れた次元を開拓することで新たな研究者コミュニティーを育て、医療技術に新たな基盤を据えるものと期待されています。このように創出される未来領域の種を、旧名をつなぐ「・」に込めました。

平成28年度の研究活動内容及び成果


多能性造血前駆細胞からリンパ球までの分化を方向付ける骨髄ニッチの同定

骨髄の造血幹細胞(HSC)は、多能性造血前駆細胞(MPP)、リンパ系共通前駆細胞(CLP)を経てB細胞を含む様々なリンパ球に分化します。しかし、造血系細胞分化が骨髄内のどこで、どのように起きているのか不明でした。本研究では、間葉系前駆細胞の60%と少数の内皮細胞がIL-7を産生すること、MPPと初期B前駆細胞(BLP)が骨内膜から離れたIL-7産生性の間葉系前駆細胞に依存しながら分化すること、IL-7産生性内皮細胞がプロB細胞以降の分化に寄与することを明らかにしました。つまり、骨髄ストローマ細胞群は、産生するサイトカインの種類によって細分化され、IL-7産生性の亜集団がリンパ球への分化を方向付ける特異的なニッチを形成することが判明しました。

iPS細胞技術を用いた高品質なキラーT細胞の再生に成功

がん患者の体の中には、がん細胞を殺傷することができるキラーT細胞が存在します。再生免疫学分野では、iPS細胞技術を利用してそのようなキラーT細胞を再生するという研究を世界にさきがけて進めてきました。しかし、従来の培養法では、生体中のキラーT細胞に比べると、品質が大幅に劣るものしかつくることができませんでした。今回開発した方法によって、生体中のキラーT細胞にほぼ匹敵する抗原特異的細胞傷害活性を有する、高品質なキラーT細胞を再生することに成功しました(Cancer Research, 76: 6839, 2016)。この成果は、再生T細胞を用いたがんの免疫細胞療法を大きく前進させると考えています。

社会との連携


ウイルス・再生医科学研究所では、教育・啓蒙活動にも積極的に取り組んでいます。協力講座として医学、生命科学、理学、人間・環境学、薬学、工学の各研究科の大学院教育及び全学教育を行うとともに、学内外に向けた講演会、シンポジウム、研究所見学会を開催し、日々研究室で行われている研究を、中高生や社会一般の方々に分かりやすく紹介しています。
また、産官学連携を積極的に推進し、特許等の知的財産の創出とライセンシングを通じて研究成果の実用化を推進しています。

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