研究所・研究センター一覧

京都大学ウイルス・再生医科学研究所

Institute for Frontier Life and Medical Sciences, Kyoto University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
小柳 義夫
Koyanagi, Yoshio
キーワード
ウイルス学、生命科学、分子生物学、細胞生物学、再生生物学、幹細胞、医工学、再生医療
住所
〒606-8507
京都府京都市左京区聖護院川原町53

生物学でいう進化現象を人間社会でも見出せるかもしれません。京都大学の生命医科学分野の研究所であるウイルス研究所と再生医科学研究所は、平成28年10月に組織統合し、「ウイルス・再生医科学研究所」として発足しました。私たちは研究所が「進化」したと考えています。もちろん進化現象は、ある目的にために起きるイベントではありませんが、私たちは、この組織統合がイノベーションの発展につながると考えています。
本研究所は「ウイルス感染症・生命科学先端融合的共同研究拠点」と「再生医学・再生医療の先端融合的共同研究拠点」として研究者の活動支援を行ってきました。これらの活動とともに、再生医学やウイルス学に加え、幅広い基礎生命医科学における独自の研究活動を行っています。さらに、システム研究などの新分野を展開させる予定です。

平成30年度の研究活動内容及び成果


自己免疫性関節炎の発症・慢性化の原因となる炎症ネットワークメカニズムの解明

これまで関節リウマチを代表とする自己免疫性関節炎の発症・慢性化に関わる炎症メカニズムは詳しくわかっておらず、新規治療法の開発に向け、これら分子機構の理解が必要です。本研究では、関節リウマチの臨床検体とそのマウスモデルを用い、自己免疫性関節炎を引き起こす炎症性T細胞が、関節炎の発症および慢性化を維持する新たな仕組みを明らかにしました。インターロイキン-17(IL-17)を産生する炎症性T(Th17)細胞が、関節滑膜組織において、滑膜細胞および新しく見出したGM-CSFを産生する自然リンパ球と炎症ネットワークを形成することで、関節炎の発症および増悪に寄与していました。現在、抗リウマチ薬に対して応答性が低い患者群が存在することから、本研究で得られた炎症ネットワークを標的とすることで、新しい免疫治療法の開発が期待できます。

関節炎発症期には、Th17細胞の産生するIL-17が、滑膜細胞からの炎症性サイトカインとケモカインの産生に重要である。特にGM-CSFの産生が関節炎発症に大きな役割を果たす。<br />  慢性炎症期では、Th17細胞、滑膜細胞、自然リンパ球による細胞間および、炎症性サイトカインによる炎症ネットワークの形成が関節破壊を引き起こす。

関節炎発症期には、Th17細胞の産生するIL-17が、滑膜細胞からの炎症性サイトカインとケモカインの産生に重要である。特にGM-CSFの産生が関節炎発症に大きな役割を果たす。
慢性炎症期では、Th17細胞、滑膜細胞、自然リンパ球による細胞間および、炎症性サイトカインによる炎症ネットワークの形成が関節破壊を引き起こす。

眼杯形成過程における細胞の力学的フィードバックメカニズムの解明

網膜の眼杯形成は発生生物学の古典的形態形成モデルとして長く研究されてきましたが、組織変形の駆動力および変形メカニズムについては不明でした。本研究グループはまず、複雑な眼杯組織の形が作られる仕組みを理解するため、実験で得た眼杯組織の情報を基にしてコンピューターシミュレーションを行った結果、眼杯組織の丸い形を作るためには、組織の場所ごとに細胞が異なる力を生み出す必要があることが予測されました。この予測を、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)を培養して作製した眼杯組織を使って実験的に検証し、眼杯形成過程において、1つ1つの細胞が眼杯組織全体の変形度合いを感じながら、その網膜の丸い形を微調整していることが明らかになりました。これらの発見は、「器官の形作り」に対する機械的な力の新しい役割を示しています。

 

社会との連携


ウイルス・再生医科学研究所では、教育・啓蒙活動にも積極的に取り組んでいます。協力講座として医学、生命科学、理学、人間・環境学、薬学、工学の各研究科の大学院教育及び全学教育を行うとともに、学内外に向けた講演会、シンポジウム、研究所見学会を開催し、日々研究室で行われている研究を、中高生や社会一般の方々に分かりやすく紹介しています。
また、産官学連携を積極的に推進し、特許等の知的財産の創出とライセンシングを通じて研究成果の実用化を推進しています。

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