応用力学研究所は、1942年と1943年に設立された研究所をもとに、1951年に発足されました。現在は学術的基盤を発展させる地球環境力学部門、核融合力学部門、新エネルギー力学部門の3つの部門と、社会の要請に応える実用実証を目指す、大気海洋環境研究センター、高温プラズマ理工学研究センター、自然エネルギー統合利用センターに、2022年に設置した、初の国際研究拠点海洋プラスチック研究センターを加えた4つのセンターの体制で研究活動を行っています。地球環境、核融合・プラズマ、新エネルギーの各分野やそれらの融合分野で、基礎・応用研究、大型プロジェクト、そして共同利用・共同研究拠点として国内・国際共同研究を実施し、人類社会にとっての重要課題である地球環境とエネルギー問題の解決に努力しています。
漂流・漂着するプラスチックごみやマイクロプラスチック(プラスチックごみが破砕してできた微細片)の動きを、全世界の海で再現するシミュレーション技術を開発し、過去約60年間に、世界の海に流出したプラスチックごみのうち、約26%(650万トン)は目視できるサイズで、約7%はマイクロプラスチックとして、いまも漂流と漂着を繰り返し、約67%はすでに海岸や海面近くから姿を消したと推計されました (Isobe & Iwasaki, 2022, Sci, Total Env)。
核融合発電は次世代の集中型電源として期待されています。核融合反応を起こすには重水素と三重水素を1億度まで加熱し、かつ十分な反応が起こるような密度を維持する必要があります。このような高温では粒子はプラズマ状態となり、この高温プラズマを発電に必要な長時間維持するための研究を、球状トカマクという装置で実施しています。プラズマとプラズマを取り囲んだ固体壁との粒子の相互作用の重要性に鑑みて、固体壁の温度を制御する実験を行い、6時間の長時間維持に成功しました。
2050年カーボンニュートラル実現には、確実な経済効果を伴った洋上風力発電の実現が不可欠です。欧州に比べ、我が国の場合は年平均風速がやや低く、かつ乱れが大きいことから、風車の最適配置や風車ウエイク(風車のブレードが回転することに伴い、風車下流に形成される流れ場のこと)の予測とその制御が最重要課題です。風車ウエイクとその相互干渉現象の力学機構を解明し、日本型ウエイクモデルの開発とその社会実装を目指しています。(JST A-STEP(本格型):課題番号 / JPMJTR211Cを実施中)
例年開催されるRIAMフォーラムにて、共同利用研究の成果の発表し、研究所に関する理解を深めて頂くと共に、研究機関や民間企業との共同研究・委託研究を推進し、科学技術の実用化・産業化に貢献しています。
所内開放、サイエンスカフェや市民向けの講座などの開催、汚染物質PM2.5と黄砂の飛来予測、日本近海の海峡予測を提供し、海洋プラスチック汚染や洋上風力発電等の研究成果の社会への還元に取り組んでいます。また、国内外の委員会に積極的に参加し、学術振興と政策形成に貢献しています。
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