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筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター

Tsukuba Plant Innovation Research Center, University of Tsukuba
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
福田 直也
Fukuda, Naoya
キーワード
遺伝資源、遺伝子組換え植物、ゲノム編集植物、特定網室、環境影響試験圃場、リスク分析、LMO/GMO理解増進
住所
〒305-8572
茨城県つくば市天王台1-1-1

つくば機能植物イノベーション研究センター(T-PIRC)は、植物遺伝子および植物バイオテクノロジー研究を精力的に行ってきた遺伝子実験センターとフィールドを活かした農業研究を推進している農林技術センター農場部門の統合により、平成29年4月に新たに設置されました。加えて令和元年には、産官学連携による研究事業を推進することを目的としたインダストリアルゾーンをオープンすることにより、植物バイオテクノロジーと生物資源を基調とした基礎・基盤研究から応用・開発、社会実装までをOne-Stop Shopで行う研究拠点としての機能強化を行い、食料や資源の安定的確保といった持続可能な社会の実現に寄与しています。また、本研究センターから生み出された先端研究成果や社会実装に向けた各種取り組みにより、次世代技術を習得した人材育成の促進にも貢献します。

令和5年度の研究活動内容及び成果


本センター教員を中心とした研究活動および共同利用・共同研究拠点「形質転換植物デザイン研究拠点」で進めている共同利用・共同研究を通じて、植物遺伝子の機能解明や遺伝子組換え植物の作成技術・育成・特性解析・食品安全性評価等について多くの成果が得られました。さらに文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトや日仏国際ジョイントラボ等の活動を通じて遺伝資源の収集・配布を行うと共に、日本におけるナス科・ウリ科ゲノム研究の中心機関として国内・国際連携を推進し、研究者コミュニティの連携を積極的に支援しました。またフランス国立農学研究所やホーチミン市バイオテクノロジーセンター、ミシガン州立大学植物レジリエンス研究所等、海外関連機関等との連携強化を進めるなど、グローバル拠点化を推進しています。情報発信では特別シンポジウムを開催し、急速に開発が進んでいる新しいゲノム編集技術を応用した育種に関して、最新情報を多くの関係者に提供するとともに、今後の研究方策・情報提供のあり方等について意見交換を行いました。また、JST/JICA地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)により「メキシコ遺伝資源の多様性評価と持続的利用の基盤構築」に関する研究を展開し、遺伝資源に関する国際共同研究と研究者養成を行いました(SATREPS事業は2018年9月までですが、それ以降もメキシコとの共同事業は継続して進めています)。さらに、2022年度よりSATREPS新規課題として、「熱帯地域における持続的野菜生産のためのトオガラシ、トマトの革命的な育種技術開発」が採択され事業を開始しました。また、遺伝子組換え植物の野外利用において必須であるリスク評価に関わり、生物多様性影響評価について形質転換植物評価技術および管理技術に必要な科学的知見の基盤集積を行いました。

令和5年度における他の代表的な活動は以下のようなものです。

  • [共同研究]  42件の共同研究課題を採択・実施した。
  • [共同研究] 海外連携型での現地共同研究1件の継続支援(ベトナム・ホーチミン市バイオテクノロジーセンター)、海外連携研究機関利用型課題として米国ミシガン州立大学、米国デューク大学等との共同研究を実施しました。また新たに、World Vegetable Centerとの学術交流協定を結び、共同研究を推進しました。
  • [共同研究] 植物関連研究を行う他3共共拠点(岡山大、鳥取大、琉球大、大阪公立大)と連携して機器共同利用ネットワーク構築を進めるとともに、植物学会を通じて関係研究者にアライアンスに関する紹介とその利用について宣伝しました。さらに、本センター主導で、東京農業大学生物資源ゲノム解析センター、東京大学大学院新領域研究科生命データサイエンスセンターならびに国立遺伝学研究所生物遺伝資源センターと連携して、「植物先端メタアナリシス創成拠点」構築を推進しました。[共同研究] メキシコ国立遺伝資源センター(CNRG)とのSATREPS事業と連携し、植物遺伝資源の国際移動の事例構築を進めました。トマトNBRP事業及び、2018年度より開始したNBRP補助(ABS)事業を通じて先端的な遺伝資源利用研究及び、植物遺伝資源のアクセスと利益配分(ABS)の事例構築やABSに関わる人材育成や研究協力体制構築を支援しました。またトマトNBRP事業第4期(2022年4月~20273月)における中核機関としての活動を実施しました。[共同研究]筑波大学DTF機構が推進している、概算要求事業「地球規模的課題解決のための全学的広域分野横断型研究推進プラットフォームの構築」において、共同研究ならびに事業推進を支援した。
  • [産学連携] 研究成果展開事業産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)「食の未来を拓く革新的先端技術の創出(代表:江面浩教授)」を継続実施しました。
  • [産学連携]「月面等における長期滞在を支える高度資源循環型食料供給システムの開発」戦略プロジェクト(代表:一般社団法人SPACE FOODSPHERE)を継続実施しました。
  • [社会連携]JICA課題別研修稲作技術向上(普及員)(フランス語コース)を実施いたしました。
  • [社会連携]農業生物資源ジーンバンク事業令和5年度委託事業として、ツルレイシの種子増殖事業を実施しました。その他、遺伝子組換え植物に関する第一種使用規定承認を2件、農林水産省より受け、隔離圃場での栽培を実施しました。

社会との連携


遺伝子組換え植物やゲノム編集植物に関する橋渡し研究

基礎研究で育成された遺伝子組換え植物やゲノム編集植物を応用研究に結びつけ、実用化していくために必要な様々な知識・技術・規制情報等を共有するため、産官学の研究者を対象とする公開シンポジウムや実務者研修会等を随時開催するとともに、多様な共同研究を実施しています。
大学発ベンチャー企業との共同研究でゲノム編集技術を活用して開発されたGABA高蓄積トマト、CRISPR/Cas9技術を活用して市販化された世界初のゲノム編集作物(本センターDistinguished Professor江面浩教授が、本研究の成果により2023年度「つくば賞」を受賞いたしました。)

大学発ベンチャー企業との共同研究でゲノム編集技術を活用して開発されてGABA高蓄積トマト、CRISPR/Cas9技術を活用して市販化された世界初のゲノム編集作物

大学発ベンチャー企業との共同研究でゲノム編集技術を活用して開発されてGABA高蓄積トマト、CRISPR/Cas9技術を活用して市販化された世界初のゲノム編集作物

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