本研究所の前身である「原爆後障害医療研究施設」は、昭和37年に「原爆被爆者の後障害の治療並びに発症予防、及び放射線の人体への影響に関する総合的基礎研究」を目的に設置され、長崎は勿論のこと、1990年代からはチョルノービリ・カザフスタン、2011年からは福島へも活動の場を広げ、平成25年には社会の要請に沿った研究教育活動の推進を目指して「長崎大学原爆後障害医療研究所」へと改組しました。本研究所はミッションを「国内外の大学・研究機関との連携の下、放射線健康リスク管理学を中心とした被ばく医療学を推進し、人類の安全・安心を担う専門家を輩出する」と再定義し、疫学研究、個体・細胞から分子レベルまで幅広い放射線の影響と障害発生機序解明の研究を展開し、被ばく者の国際的調査や医療協力を推進しつつ放射線影響に関する総合研究施設として活動しています。平成28年度からは広島大学原爆放射線医科学研究所、福島県立医科大学ふくしま国際医療科学センターとともに拠点ネットワーク「放射線災害・医科学研究拠点」として共同利用・共同研究拠点に認定され、活動の幅を広げています。
当研究所では、放射線にともなう様々な社会的、医学的問題に取り組むため各所に研究所の拠点を設置し、人員を配置しています。これまでにベラルーシ共和国、福島県では川内村、富岡町、大熊町、双葉町に拠点を設置すると共に、ウクライナにチョルノービリプロジェクト代表部を、フランス原子力防護評価研究所に交流支援室を設けました。これらを利用して現地の人々と直接の接点を持ちつつ、社会医学的、疫学的、医学的研究と現地の支援を続けています。特に福島県における拠点では避難住民の帰還をサポートしつつ、復興支援活動を行っています。
2011年の福島第一原子力発電所事故後は、いち早く現場に入り、緊急被ばく医療支援、放射線リスクコミュニケーションに努めてきました。現在は復興期に入っていますが、福島県立医科大学と放射線教育・研究協力を継続しています。また、全村避難から帰村宣言をした川内村に拠点を置き、きめ細かな対応で帰村を支援すると共に、富岡町、大熊町、双葉町でも拠点を置いて復興支援を続けています。
放射線、特に低線量慢性被ばく・内部被ばくの健康影響は、福島原発事故以来、国民の関心を集め、かつ放射線に対する不安の元凶の1つとなっています。「放射線を正しく怖がる」ことができる放射線健康リスク学、ヒバクシャにきめ細やかな対応をする被ばく医療学を推進するため、社会医学から基礎研究にわたる広範な研究分野から情報を発信しています。また、福島県立医科大学とともに災害・被ばく医療科学共同専攻大学院を立ちあげ、この分野の人材育成に取り組むとともに、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科では博士課程放射線医療科学専攻と先進予防医学共同専攻を担当しています。
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