筑波大学計算科学研究センターは、科学の様々な分野と計算機科学分野の協同・融合を軸とした「学際計算科学」を推進しています。スーパーコンピュータおよび超高速ネットワーク技術の開発を行うと共に、素粒子・宇宙・原子核・物質・生命・地球環境・化学・計算機工学・情報など諸領域における超高速シミュレーション及び大規模データ解析や情報技術の革新的な応用研究を行っています。
本センターは、1992年設置の計算物理学研究センターを拡充し、2004年4月に設置されました。2010年には共同利用・共同研究拠点「先端学際計算科学共同研究拠点」に認定され、現在は「Cygnus」(2019年度運用開始)および「Pegasus」(2022年度運用開始)の2台のスーパーコンピュータを管理・運用しています。
2023年10月より、令和5年度共同利用・共同研究システム形成事業「学際領域展開ハブ形成プログラム」の1つに採択され、「AI時代における計算科学の社会実装を実現する学際ハブ拠点形成」事業を開始し、スーパーコンピュータ利用技術の社会への適用の裾野を広げる新たな挑戦を開始しました。
センターのスーパーコンピュータとして、2019年4月にはIntel Stratix10 FPGA及びNVIDIA TeslaV100を演算加速装置部として搭載した総ピーク演算性能2.4ペタフロップスの多重複合演算加速スーパーコンピュータ「Cygnus」を導入しました。また、2022年12月には、演算加速装置部にNVIDIA H100 PCle GPUを、メモリとしてDDR5メモリとIntel Optane不揮発性メモリを搭載し、総ピーク演算性能6.5ペタフロップスとなるビッグメモリスーパーコンピュータ「Pegasus」を導入しました。これらを計算機資源として全国共同利用を実施し、素粒子、宇宙、原子核、物質、生命、地球環境、情報、化学、計算機工学の各分野における計算科学を振興しました。令和5年度学際共同利用プログラムでは、74課題のプロジェクトを採択し、多数の学術論文を発表しました。
国際的な連携・協力は、学際計算科学を推進・加速させるために重要な活動です。素粒子物理の国際データ共有プロジェクトILDGや、英エジンバラ大学、米ローレンスバークレイ研究所との連携協定など、国際的な研究協力体制を築いています。
国内では、2013年3月に東京大学と締結した「最先端共同HPC基盤施設の設置及び運営に関する協定」に基づき、次期スパコンの共同設計開発と共同運転・運用を行い、諸分野の計算科学の研究に供して最先端の計算科学を推進しています。つくば市内の各研究機関(KEK,AIST,NIMSなど)、理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)などとも密接な研究協力関係を結んでいます。
これまで進めてきた国内外の研究協力を強化、展開し、共同研究に向けて研究者や学生の交流を行うための懸け橋として活用していきます。
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