本センターは、東北アジア(東アジア及び北アジア並びに日本をいう)地域に関する地域研究を学際的及び総合的に行うことを目的として掲げる、人文社会科学と自然科学による学際研究施設である。20世紀大国比較史、越境環境汚染と移民といった人文社会科学的課題から、北極圏の気候変動とアジア世界、人類の寒冷環境適応と生物・地質史といった文理融合的課題の研究を推進している。特に人類史を視野に入れた地域研究は、これまでの我が国では試みがなく、新しい展望を開拓している。また、東日本大震災を経験した大学として、災害対応の応用実践的な地域研究にも力を入れている。以上の研究を通し、東北アジアという地域理解の枠組みを確立し、普及させることが、本センターのミッションである。
東北アジア諸国の関係を近世から現代まで俯瞰し、政治学・歴史学・文化人類学の異分野融合による国際関係と文化の歴史的変遷の研究を行った。韓国・中国との交流史、ロシア軍事史など大国間の課題の研究で成果を挙げたほか、コロナ禍に伴う移民と医療の関係の解明など直近の課題でも成果を挙げた。文理融合的な東北アジアのビッグヒストリー的研究を目指し、地殻変動、生物多様性進化、人類の知性、認知進化、新たな古文書を用いた中世・近世史の推定、古文書とゲノム解析の融合研究による人間・生物の関係史など、地球史から生命、人類、人文史を俯瞰する研究を行った。また環境研究として、漁業資源管理、気候変動とそれに伴う文化変容の研究を行い、特に北欧との研究協力を進め国際的な活動拠点として成果を挙げた。温暖化やエネルギー政策でも世界的な注目を集める研究成果をあげ、国際的な政策提言に繋げた。
温暖化や生物多様性、生物資源など環境問題および災害の現況把握と予測、解決策の提言、実施を通じて、宮城県を中心とした国内の地域連携および国際的な政策提言、社会連携で成果を挙げた。国際海洋探査評議会(ICES)で持続可能な漁業に関する政策提言を行ったほか、宮城県の漁業推進のために地域の漁業者と連携した活動を行い、国際的な視点から各種メディアを通して漁業問題について提言した。気候変動による永久凍土融解の社会影響評価に関わる調査研究を行い、気候温暖化の社会的影響を長期的・短期的に解明、災害の増加を実証した。日本の電力へのエネルギー転換がCO2排出量と水消費量に与える影響や大手石油企業に対するクリーンエネルギーのビジネスの現況を調査し、企業がとるべき対応について国際社会に向けた提言を行った。文化活動では、古文書を通じて地域に歴史研究の成果を還元し、災害研究では、地質観測による災害予測や古文書による予測を行い、地域に情報を還元した。
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