会長挨拶

令和6年度 会長挨拶 

 「国立大学附置研究所・センター会議」の2024年度会長を務めることになった、一橋大学経済研究所の祝迫得夫と申します。就任にあたり一言ご挨拶させて頂きます。

 

 本会議は、国立大学が法人化された平成16年度(2004年度)に「文部科学省所轄並びに国立大学附置研究所会議」を継承して発足しました。2024年4月現在、全国の36国立大学法人に設置された110の附置研究所と研究センターで構成されています。

 

 国立大学の附置研究所及びセンターは、それぞれが日本の学術研究の様々な分野をリードすることを使命として、先端的な研究課題や多様な学際的研究、長期的な視野に基づく基礎研究などに取り組んでいます。また、その多くが共同利用・共同研究拠点として、国内外の研究者コミュニティに開かれた研究支援体制を整備し、研究の基盤ならびに共同研究の機会を提供することによって、個々の大学の枠を超えてわが国の学術研究を支えています。2023年度はコロナ禍の本格的な終焉を受けて、学術研究における国境を越えた人の行き来が八割方コロナ禍前の水準に戻った一方、非常手段であったオンラインのコンファレンスや研究会合はそのまま残り、アフターコロナの新しい学術研究の「日常」が形作られつつあります。国内外の研究者ネットワークの中心拠点としての役割を果たし、また学生や若手研究者が先端研究の場に直に触れるための場を提供し、次世代研究者の育成をするという附置研究所・センターの役割に何ら変わりはありませんが、新しい社会経済環境のもとで、その遂行・推進においては様々な新しいチャレンジに直面しています。

 

 本会議はこれまで、わが国の学術研究の発展に資する重要な提言や要望を発信し続けてきました。同時に、先端的な学術研究活動の成果の社会一般への情報発信強化のために、各研究所・センターのユニークな研究活動のウェブサイト等を通じた紹介や、公開シンポジウムの開催などにも力を入れています。今後もさらに「研究活動の見える化」を推進することにより、附置研究所・センターが担っているそれぞれの学問分野における研究の動向を、広く皆様に知っていただきたいと考えています。

 

 我々は、附置研究所・センターが我が国の学術研究の中核としての役割を担っていることを強く認識し、引き続きその発展に貢献したいと思います。皆様の一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げる次第です。


令和6年度会長
一橋大学 経済研究所
祝迫 得夫 所長

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